Bot との協働
クイックスタート は Bot を動かすまでの話でした。このページは Bot をうまく使うための話です。どんなタスクを任せるか、依頼をどう伝えるか、ルールをどこに置くか、いつ 2 つの Bot に分けるか。後半は設定リファレンスとして、Bot の作成と詳細ページの各タブのフィールドを扱います。
Bot に任せるのに向いたタスク
次の 3 つの条件をすべて満たすタスクは、Bot に任せるのに最適です。
- 結果が明確。 終わったときに何が存在しているべきか(ファイル 1 つ、メッセージ 1 件、表 1 枚)を言葉にできる。
- ソースに手が届く。 関係するファイル・サイト・会話が、Bot が実際にアクセスできるものである。ワークスペースにアップロード済み、チャネルやサービスとして接続済み、あるいは公開されている内容。
- 成果物を確認しやすい。 結果が正しいかどうか一目で分かれば、レビューのコストは低く済む。
3 つすべて満たしていても、まずは読み取り専用から始めましょう。読ませて整理させるところから入り、成果物を何度か確認してから、少しずつ権限を広げます。
依頼をはっきり伝える
良い依頼は 5 つの問い(結果・ソース・制約・形式・確認ポイント)に答えています。その表は クイックスタート にあります。ここでは実際の比較を 2 組見てみましょう。
曖昧
テックニュースを見ておいて、面白いものがあったら送って。
ソースがなく(どのサイト?どのリポジトリ?)、届ける時刻もなく、「面白い」はあなたの代わりに下す主観的な判断のままです。これでは毎回のダイジェストが運まかせになります。
こう直します。
具体的
毎営業日の朝 8 時に、私がフォローしているこれらのリポジトリの過去 24 時間の release と重要な issue をまとめて、1 通のダイジェストとして送ってください。各項目には出典を明記し、不確かな内容は推測せずに不確かだと言ってください。
曖昧
このスプレッドシートをきれいにして。
「きれいにする」が定義されていません。どの行が汚れたデータなのか、元のファイルに手を入れてよいのか、最後に何を返せばよいのか。Bot は手を付ける前に 3 回も推測しなければなりません。
こう直します。
具体的
さっきアップロードした CSV から、email 列が空の行をすべて削除してください。クリーニング後のファイルを渡して、何行削除したかを教えてください。元のファイルは変更しないでください。
2 つの書き直しに共通するのは、ソースを名指しし、動作に枠をはめ、結果を一目で検証できるようにしていることです。
長期ルールの置き場所
指示には 2 種類あり、置き場所もそれぞれ違います。
- 長期ルール は Bot 詳細ページの指示に書きます。役割、フォーマットの基準、常設の制約。以後のすべてのセッションで効きます。
- 1 回かぎりの依頼 はメッセージに書きます。今日のこのファイル、今週だけの例外。
ある修正を長く効かせたいなら、格上げしましょう。持続的なルールとして言い換えて指示へ移します。やり方は クイックスタート のステップ 7 のとおりです。手順一式が繰り返し登場するなら、スキル として保存すれば一言で呼び出せます。Bot に自分で覚えていてほしい好みは、長期メモリ に任せます。
Bot を分けるタイミング
1 つの Bot に 1 つの仕事。役割を 1 つに絞った Bot が蓄積するコンテキストはその Bot を助け続けますが、何でも屋の Bot は自分の指示とメモリを薄めてしまいます。クイックスタート と 概要 でも述べたので、ここでは実用的な判断基準だけを足します。新しい要望の相手が違う、ソースが違う、または必要な権限が違うなら、2 つ目の Bot を作るべきです。
各 Bot は専用のワークスペース、メモリ、チャネル、権限境界を持ち、互いの中身は見えません。分けることで権限も正直に保てます。release の動向を読むだけの Bot に、コマンドを実行する権利は永遠に必要ないのです。
承認の習慣
タスクに必要なレベルだけを与えてください。ワークスペースの権限は、チャット、ファイルの読み取り、ファイルの書き込み、コマンドの実行、管理へと段階的に付与します。アクセス制御 を参照してください。
実際の運用では:
- 新しいルーチンは読み取り専用で始め、書き込み・実行系のツール呼び出しは承認の後ろに残します。
- 最初の数回の実行を確認してから、緩めることを検討します。
- ワークスペースの外に出る動作(他人へのメッセージ送信など、外部への操作すべて)は、ルーチンに十分慣れた後も承認の後ろに残し続けます。
損得は単純です。リクエストを何度か承認する手間は、誤った書き込みを 1 回取り消す手間よりはるかに安く済みます。
作成
- サイドバーから Bot に進みます。
- Create Bot をクリックします。
- 基本情報を入力します。
- Display Name:外部に表示される名前
- Avatar:アバター画像の URL
- Timezone:空でも可。未設定ならユーザーまたはシステムのタイムゾーンを引き継ぎます
- ACL Preset:
allow_all(デフォルト許可)やprivate_only(プライベートチャットのみ)などのクイックポリシー
- 作成します。
詳細ページ
カードをクリックして 詳細 に入ります。タブごとに受け持ちが分かれています。
| タブ | 内容 |
|---|---|
| 概要 | ワークスペースランタイム、データベース、チャネル、メモリなどのヘルスチェック |
| 一般 | チャット/タイトル/画像生成モデル、メモリ/検索/TTS のバインド、タイムゾーン、言語、推論、Danger Zone |
| Desktop | ワークスペースのディスプレイランタイム、ヘッド付きブラウザ、進行中の display session |
| Workspace | コンテナ型ワークスペースの起動と停止、スナップショット、インポート/エクスポート |
| ネットワーク | ワークスペースのネットワークと overlay provider の状態/操作 |
| メモリ | メモリの閲覧・検索・作成・編集・圧縮 |
| プラットフォーム | 各メッセージチャネル(Telegram、Discord、Feishu など) |
| アクセス | ACL とデフォルトの許可/拒否 |
| Toolの承認 | 人の確認が必要なツールの承認設定 |
| エージェント | チャットワークスペースで有効化できる ACP 互換コーディングエージェント(Codex、Claude Code など) |
| コネクター | Connect-It 経由で接続するサードパーティサービス(OAuth または API Key)。状態、有効化/無効化、再認証、切断 |
| Hooks | /data/.memoh/hooks.json に保存される Bot の自動化ルール |
| MCP | MCP 接続の管理(Stdio/Remote/OAuth) |
| 圧縮 | セッション圧縮の設定とログ |
| スケジュール | cron と実行ログ |
| スキル | スキルの Markdown ファイル |
ファイル、Terminal、デスクトップ/ブラウザの各パネルは、チャットのワークスペース領域でも使えます。会話を離れずにファイルを確認したり、シェルを実行したり、Bot のブラウザとデスクトップを見守ったりしたいときは、チャット内のワークスペースサイドバーを使ってください。
まず設定すべきコア項目
- Bot の 一般 タブを開き、まずモデルと各種バインドを設定します。
- 定期的な自律タスクは スケジュール タブで管理します。
- セッションが長くなってきたときの圧縮は 圧縮 タブで管理します。
- ACL プリセットの後の微調整は アクセス タブで行います。
これらのリソースがまだなければ、先に作成しておきます。
一般タブのフィールド
| フィールド | 説明 |
|---|---|
| Chat Model | メインの会話モデル |
| Title Model | 任意。セッションタイトルの生成に使用 |
| Image Generation Model | 任意。image-output に対応したチャットモデルが必要 |
| Memory Provider | 長期メモリのバックエンド。組み込みタイプは専用のメモリ/埋め込みモデルも持てる |
| Search Provider | ウェブ検索にどのプロバイダーを使うか |
| TTS Model | TTS プロバイダーのフローから来るもので、通常のチャット用モデルプロバイダーからは選ばない |
| Timezone | 未設定ならユーザーのタイムゾーン、次いでシステムにフォールバック |
| Language | Bot が主に使う言語 |
| Reasoning Effort | 現在のチャットモデルが reasoning に対応している場合に利用可能。選べる値はモデルによる(例: low / medium / high) |
補足:
- 画像生成モデル は意図的にメインのチャットモデルと分けてあります。「画像生成が得意な」モデルだけを個別に差し替えられるようにするためです。
- TTS は、音声合成 設定ページで設定した音声プロバイダーの
speechモデルを使います。 - 選択したチャットモデルの
context_windowは、セッションステータスの表示と セッションコンテキスト圧縮 に影響します。
圧縮関連(ここでの対象は「セッション」)
ここで言うのは 現在のセッション のコンテキストを短く圧縮する機能であって、メモリのエントリーを書き換えるものではありません。
| フィールド | 説明 |
|---|---|
| Compaction Enabled | セッション内で自動的に要約圧縮するかどうか |
| Compaction Threshold | 発動させる推定 token のしきい値 |
| Compaction Ratio | どの程度強く圧縮するか |
| Compaction Model | 任意。要約専用のモデル |
詳細は セッションコンテキスト圧縮 を参照してください。
アクセスと ACL
作成時にはまず ACL プリセット を与え、その後 アクセス タブで微調整します。プリセット はデフォルトポリシーのひな形を与え、Default Effect は「どのルールにも一致しなかったとき」に許可するか拒否するかを決めます。
セッション と Discuss のデフォルト挙動はそのページにあります。API や自動化で設定を管理する場合、設定には discuss_probe_model_id などの上級者向け項目もありますが、日常的な Bot 作成でまず触る必要はありません。
ワークスペースのファイルとターミナル
ワークスペースのファイルとターミナルは、チャットのワークスペース UI から使います。前提として、その Bot に利用可能なワークスペースランタイムが必要です。ここでは次のことができます。
- ワークスペースのファイルを閲覧・編集する
- ワークスペース内でターミナルセッションを開く
- display を有効にしたうえでブラウザ/デスクトップ関連のツールを使う
ファイルの操作フローは ファイル を、ヘッド付きブラウザとデスクトップ操作は Browser / Computer Use を参照してください。
削除
一般 タブ最下部の Danger Zone -> Delete Bot で、その Bot に関連するデータ(ワークスペースのファイルやメモリを含む)を削除します。元に戻せません。